トップページ > Webすまいる > 知っていますか? > メタボリック・シンドロームについて
内臓脂肪型肥満が認められ、脂質代謝障害・高血圧・高血糖などが重なった場合、一つひとつは軽度であったとしても、動脈硬化を進行させてしまう危険性が高まります。食習慣の改善と運動を心がけ、内臓脂肪を少しでも減少させることが大切です。

4つの生活習慣病が合併した「死の四重奏」と呼ばれる病態が以前から危険視されていましたが、「インスリン抵抗性症候群」・「内臓脂肪症候群」など同様の病態も含めて、「メタボリック・シンドローム」という疾患概念に統一され、日本人の診断基準が、2005年4月に発表されました。
この病気は、内臓脂肪型肥満が原因でさまざまな代謝障害を起こし、その結果、脂質異常・血圧上昇・血糖上昇などを引き起こした状態です。
最近の住民調査研究によると、男性26.4%、女性8.8%がメタボリック・シンドロームに該当し、これらの人々は心筋梗塞の発症率が1.8倍高かったと報告されています。
肥満には、図1のように、おしりや太ももなどの皮下に脂肪が蓄積するタイプ(皮下脂肪型肥満…洋ナシ型肥満)と、腹部内臓周囲や肝臓などに脂肪が蓄積するタイプ(内臓脂肪型肥満…リンゴ型肥満)の二つがあります。
健常者の内臓脂肪細胞は小型で、エネルギーを貯蔵する機能を持つとともに、種々の生理活性物質を分泌して、糖質・脂肪代謝の調節、食欲の調節、血管保護、血栓予防などの各種作用により、動脈硬化予防に貢献しています。
しかし内臓脂肪型肥満になると、脂肪細胞は大型化して、これらの調節がうまくできず、動脈硬化が進行してしまいます。

■図1
メタボリック・シンドロームの診断は、図2のような基準に基づいて行います。
まず腹部内臓肥満が認められることが必須項目となっています。加えて、脂質代謝障害・高血圧・高血糖の3病態のうち二つ以上認められる場合に、メタボリック・シンドロームと診断されます。
CT検査による日本人約1200人の腹部内臓脂肪測定の結果、内臓脂肪面積が100cm2を超えると心血管疾患リスクが増加することが判明しました。
この値は、ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上に相当することも判明しました。通常の診断には、この簡便な腹囲測定法が推奨されており、実際には図3のように行います。
選択項目の判定は、「トリグリセリド(中性脂肪)高値またはHDL(善玉)コレステロール低値」「収縮期血圧高値または拡張期血圧高値」「空腹時血糖高値」の3項目で行われます。
この基準で注目されるのは「血圧130〜139mmHg/85〜89mmHgという正常高値血圧と、空腹時血糖値110〜125mg/dLという軽症の糖代謝障害が含まれていることです。健康診断などでは、個々の判定は「正常ないしは軽度異常」で、「要治療」とはならない値ですが、腹部内臓肥満に基づく異常の場合には高リスクと診断され、早期からの治療が必要になります。

■図2

■図3
ウエスト周囲径は、へその高さで、軽い呼気時に、立位で測定します。へそより上の細いところや、無理におなかを引っ込めた時の値ではありません。
メタボリック・シンドロームの治療は、まず生活習慣を是正することです。
食事は、糖質制限を主体としたカロリー制限を行い、可能ならば脂質制限も行います。血圧下降のためには、塩分制限やカリウムに富む野菜の摂取が勧められます。過度のアルコールは中性脂肪増加を、喫煙はHDLコレステロール低下を生じますので、節酒と禁煙が必要です。運動療法は毎日30分間以上の有酸素運動が推奨されています。
そして、これらの治療を継続するために、ウエスト日記をつけることが有効といわれています。1cmでも腹囲を縮めて内臓脂肪を減らすことを目標に頑張りましょう。薬物療法は、このような生活習慣是正を3〜6ヶ月行っても改善がみられない場合に行われることになります。
是非、腹囲を測定し、その健診結果を見直してみましょう。メタボリック・シンドローム、あなたは大丈夫ですか?
次の項目のうち複数が当てはまる方は要注意です。
ウエスト周囲径を測定しましょう。
* 最近、体重が増えた。
* ベルトの位置が変わった。
* 健康診断で血圧が少し高いと言われた。
* 健康診断で糖尿病の疑いがあると言われた。
* 健康診断で中性脂肪がやや高いと言われた。
* 健康診断で善玉コレステロールが低いと言われた。
* 禁煙しようと思うがやめられない。